小林めぐみ 地球保護区

地球保護区 (ハヤカワ文庫JA)

地球保護区 (ハヤカワ文庫JA)

結構地味だな、と思いながら読んでいたのら、ずっと地味だった。小林めぐみさんの作品では異世界人が良く登場するけれど、結構いい加減と言うか、とりあえずやってみようというタイプが多い。今回、珍しく異世界人は話でしか登場しないけど、陰の主人公とも言える○○博士がそのタイプだった。
遺伝子を操作するのが簡単になったのか、遺伝子操作で天才から才能を除くことができるのならその逆もできるはず。博士はクローンを桁違いに作ったけど、数人程度なら他でも良くやっているみたいな表現があったので、クローンを作ること自体にあまり壁はなさそう。でも、能力の高い自分なんてあまりみたくはないかも。ねたましさが尋常ではなさそう。
物語の中で「自分が不幸だから相手の不幸なところを探しているんだ」とのせりふが出てくる。このままではなくて意味合いとして、だけど。これを読んで、結構じわじわと、自分はどうだろうかとの思いが出てきた。他人が不幸になったからと言って自分が幸せにはならない。でも、ときどきそんなことを願ってはいないだろうか、と考る。全く考えないと断言できるほど聖人ではなくて、頻度やら強度の問題かな。うん