豊島ミホ やさぐれるには、まだ早い!

やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)

やさぐれるには、まだ早い! (ダ・ヴィンチブックス)

以前、(確か)web上で掲載されていたエッセイを読んだことがあって、面白い人だなとおもっていたのだけど、このエッセイも面白い。あまり書いてしまうと、もしかして後から読むひとの楽しみを損なってしまうかもしれないので気に入ったエピソードを一つだけ。
豊島さんは幼いころ祖母に字(硬筆・毛筆ともに)を教わっており、なかなかに厳しかったようで、涙が止まらない日々だったよう。それで、こんなにも泣いているのだからさぞ大量であろう、と涙をコップに溜めていた、と言う話が好きだ。まだまだ余裕あるじゃないのさ、と周りからは思えてしまう。それでも当人にとっては切実であるあたりが面白い。このほかにも、いろいろと面白い。作家さんだから面白い、とは一概に言えないので、やはりこのひとのキャラクタによるものだろう。もちろん、文章が達者なのはプロなのであたりまえ。とも一概には言えないか。お友達になりたい(年は離れているけれど)。