三浦しをん他 シティマラソンズ

シティ・マラソンズ

シティ・マラソンズ

それぞれの作品で、もちろん感想は異なるのだけど、面白かった。三浦しをんの作品に登場する社長は、今回登場するようなキャラクタが多いような気がする。実際にあったことはないのだけど、なんだかいそうだなと思えるのはリーダビリティが高いのか、それともそんな社長がいたら面白いな、とおもっているからなのか。短編なので、それぞれの面白さをくどくどと書くのは野暮だろう。
三作品ともに、もとアスリートが主人公だ。学生時代に何かのスポーツに熱中したわけではないので、今フルマラソンを走れといわれてもまず無理だろう。短編なので、それなりにすぐに走れるようになるバックボーンが必要だったのかもしれない。毎日運動不足だな、と思いながら年を重ねてきて、いろんなメディアで「何かを始めるのに遅すぎるということはない」とかみてしまうと、ランニングでもしようかな、なんておもう。その後、スポーツ用品店にいって、シューズを探したりウェアを探したりするまではいいのだけど、どうもこのあたりで「辞める理由」を探してしまう。洗濯が大変とか、ウェアでもお金がかかるとか。実際にはそんなに走りこむことはないだろうし、消耗品も初期投資、と言うのも恥ずかしいくらいで終わるのだと予想はできるのだけど、なぜかはじめない。つまりは、あまり走りたくないのだろうとおもう。走ることで得られる効果に期待はするものの、しんどいことはしたくないのだ。怠惰を自覚するのは恥ずかしい。。
こういうことに限らず、いろんなことをする前にあきらめてしまう傾向にある。分かっていてなぜ直さないのだろう。それは、不思議だ。ずっとこうだったわけではないのだけど、強く求めて、求めたものを得た経験がないからかもしれない。つまり、強く求めたが、得られなかった経験しかないのだ。それでも、あきらめてしまうには早い?そうかもしれないし違うかもしれない。どちらにしても、若かったらするのかというとたぶん違うので、個人的な性質なのだろう。
三作品の中では、三番目の、バレエの話が好き。