- 作者: 相沢沙呼
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/10/10
- メディア: 単行本
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作品の中身ですが、とても読みやすい作品でした。キャラクタに特徴があって、若干ライトノベルっぽいところはありますが、最近の(比較的若いひとが書いた)作品ではそういった傾向が強いような気がします。ライトノベルに慣れ親しんでいる身としては、とくに忌避する理由もありませんが、小説に高尚なもの(あるのかな)を求めている人には不向きかもしれません。あと、イラストと文章があっていて良かった。
そういえば、講評の中に「米澤穂信のような苦さがない」とありましたが確かにそれはその通り。でも、必ずしも苦いものが必要かと言うとそうはおもいません。鮎川哲也さんの作品を読んだことはないのですが、その名を冠した賞には物足りないのかもしれません。これも講評にあったのですが、不幸が薄っぺらいというか、このくらい不幸にしておけばよかろう、と侮っていそうな雰囲気は確かに感じられて、舞台のシナリオというか、未熟な演技を見ているように感じられる部分はありました。しかし、講評などを読んでしまうと、自分の中でもやもやしつつ言語化されないものにそれに近い表現があればそれに乗っかってしまいます。これはよくないなあと書きながらおもう次第です。できるだけ自分の感想を残したい。