有川浩 植物図鑑

植物図鑑

植物図鑑

面白い。ふだん恋愛小説を読んでも良かった良かった、幸せにね、とおもうくらいなのですが有川浩さんの作品を読むと、何でこんな風に人と接することができなかったのだろう、とかこんな恋愛がしたいな、したかったなとおもってしまいます。あまあまなので実際には難しいかも知れないのですが。イラストがすごく可愛らしいのも反則です。とはいうものの、このイラスト直接のイメージではなくてこのイラストから喚起されたリアルな人物像をイメージしながら読みました。
これを読んだからといって山や河原に行って山菜(や草)をとってこようとは思いませんが、いろんなところにいろんな食べられるものがあると言う事を考えるのは楽しい。ハードカバを開いた部分に作品の中で登場する草木の写真が有るのですが、これが有るだけで作品のイメージの広がり方がてきめんちがいます。あえて注文をつけるなら写真の中にスケールを入れてくれたら大きさが分かるのに、とおもいました。実際に(そのものを認識しつつ)見たことが有るものはもちろん分かりますが、よく分かっていないものに関しては大きさすら分かりません。うーん、田舎で育ったはずなのに、おかしいです。
自分の知らないことに詳しくて、そのことについて楽しんでいることを伝えられる人は魅力的なのですね。まあ、それも例外は有ると思いますが。
主人公はちょっと抜けたところはあってもしっかりした女性です。そのパートナは天然で相手をほめることができてしまう男性です。以前の作品でこんなひとたちが出ていた気がするけど、どの作品だったかすぐには思い出せません。