野島伸司 スコットランドヤード・ゲーム

スコットランドヤード・ゲーム

スコットランドヤード・ゲーム

 淡々とした会話が好みでした。ドラマの原作や脚本をされている方なので(頭の中で)映像化しやすい作品だったと思います。
 好きな人が出来たとして、その人が結婚していたことがあるとかはあまり気にしませんが、結婚していて、かつ相手の人が亡くなっていたとしたらその壁は大きいかもしれません。作品でも語られていますが、回りがその人に「最愛のひとを亡くしてもけなげにがんばっている」姿を求めているのではないか、とも思います。いくら最愛の人が亡くなったからといって、もう二度と笑えないわけではないし、誰も好きにならないわけでもない。結婚してしまうと相手の両親なども絡んでくるから余計難しいかもしれません。でも、出来ればそういった思い込みと言うかレッテル貼りは避けたいものです。
 最後のほうで、主人公が結構くさいせりふを言うのですが、そのくさいせりふが個人的にはぐっときます。年をとってしまうとあまり話す相手もいなくなるのですが、軽妙な会話を楽しめるような相手がいたらいいのにな、と思いました。