野村宗弘 とろける鉄工所

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

 面白い。あまり表には出てこないかもしれない、鉄工所を舞台にした漫画です。漫画でも小説でも、自分が普段触れることの無い世界を見るのはとても楽しい。
 頭が横長の楕円形をしている児島さんのキャラクタが良い。児島さんは社長に溶接技術協議会に出場するよう言われますが、仕事が入って代理で主人公が出場します。主人公も腕はいいようですが、児島さんは輪をかけて優れています。今の職場にも超絶技術を持った人がいますが、あまり回りに知られないけれど、優れた技術を持っている人はたくさんいると思います。そんな技術は持っていないので残念ですが、優れた人を見ていると頭と手がきっちり連動しているし、まず考えていることがすごい。物を立体的に見ることが出来るし、内部まで(見えないところまで)構造を理解している。負けないように、と思うのですがどうも立体の認識が弱いし、思ったとおり手が動かない。これは小さい頃から何をしてきたかがあるかもしれませんが、やはり才能もあるのではないかと思います。写真を見ただけで全体像を把握できる人が羨ましいです。まあ、努力で追いつける部分もあるかと思うのでがんばろうとは思いますが。
 旋盤とか溶接機とか、普段見ないし触れない機械を見るのは楽しい。ホームセンタでわくわくする気持ちはよくわかります。最近は特に、日曜大工とかに限らずいろんなものがあるので暇つぶしには最適です。休日には本屋さんか、ホームセンタに行くことが多い。一緒に遊ぶ相手がいないのか、といわれるといないのですが一人なら一人で楽しみ方があると思います。主人公は結婚していて、怪我の多い職場なので心配が耐えないようです。漫画とはいえ、大きな怪我をしないよう気をつけて作業して欲しいな、と思いました。