上橋菜穂子 虚空の旅人

虚空の旅人 (新潮文庫)

虚空の旅人 (新潮文庫)

前作を読んでからだいぶたっているのですが意外と内容を覚えているもので、すぐに作品の世界に入り込むことができました。これは連続した作品、で有る程度期間が開いて刊行する作品には欠かせないことです。向き不向きが有るとは思うのですが海外の作品はどうも苦手な傾向にあって、面白いと感じながら読んだ作品でも1年も空いてしまうと内容をあまり覚えていないこともあります。
それはさておき、王は国から出られないのでその代理として他国の王を祝いに行ったチャグムですが、当初のわがままぶりはどこへやら、です。もちろん純粋さを反映した形でのわがままさは見られるのですが、親と同じような王ではなく、自分なりの姿を探しているあたりがすばらしい。
あと、いろんな国の立地条件とか、その条件ゆえに発達した文化などを書いて有るあたりが好きです。シュガとか、本当にいい子ですね。心がすさんでいるので、いつ裏切るのかとか、いつ黒チャグムになるのかとか思いながら読んでしまいます。ううう、自分の汚さを痛感します。
次回は来年の夏だそうですが、このペースで刊行するといったいいつ完結するのか。ってまあ冷静に考えると6年後の夏なのですが。もっと早く読みたいです。