- 作者: 垣根涼介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/04/01
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- 作者: 垣根涼介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/13
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最近感想といいつつ内容に絡めてぜんぜんちがうことを書いているような気もしますがまあ、それはそれでいいとして、人種による違いなのか社会による違いなのかというと多分社会による違いなのだろうなと思います。見た目日本人(アジア人)で、ラテン系の人がいたら違和感があるだろうなとか想像するのですが、「ゆりかごで眠れ」に出てきた老人のような人がいたら面白いだろうなと思います。ただ、気は会わないと思いますが。
どちらの作品も陽気な人たちの中に紛れ込んだ日本人がいるのですが、「ゆりかごで眠れ」では育った環境にもかかわらず日本人らしさが出てくる登場人物で、「真夏の〜」に出てくる登場人物はもともと細かい、細やかな気配りができる性格です。作者はどこで暮らしたとしてもそのお国柄が出ると考えているのでしょうか。小説が作者の考えを反映しているとは限らないので、多分そうしたほうが面白いと考えて登場させたのでしょう。
何事も陽気にとらえられたらいいだろうなと思いつつも、今のちょっとしたことでくよくよしてしまう自分もあまり嫌いではありません。自分が好きか、というとそれはまた少し違うのですが。こうして書いているとそれがきっかけで考えることもあるのですが、自分はどのような自分を目指していたのだろうかと考えます。たぶん、些細なことでは動じなくて、困った人にさりげない優しさを示せる人になりたかったのですが、現在は彼岸に来てしまいました。自分が考えるやさしさと人が考えるやさしさはだいぶ違うのだな、とこれまで生きてきて感じるのですがそれはなぜでしょうか。長期的な視点と短期的な視点の違いであったり、わかりやすさを求める人と、遠まわしにしてしまう人がいるからかな、と今は考えます。どちらが自分なのかはさておき、その人が喜んでくれたらいいな、と思う相手には自分の考えるやさしさをもって接したい。
話がそれてきています。そろそろ終わりますが、この作者は陽気な人たちがとても好きで、日本人と彼らでお互いに意図が伝わらないことがあることを知っているように思えます。それで、少しでも考え方の違いなどを伝えられるようにしているのかな、と思いました。多分日本人のことも基本的には好きで、好きな人と好きな人がすれ違うというか、風習の違いで分かり合えないのがいやなのではないでしょうか。作者の経歴は知りませんが、なんとなくそんな風に感じました。