- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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しかし、有川浩の書くほのぼのエピソードは本当に好きだなあ。こんなこと自分のみにはおきることは決してないのでしょうが、もしかしてこんなことがあったら、とか妄想してしまうほど楽しい。かつて宝塚に住んでいたことがあって、そのころは電車に乗るのも大人と一緒でないと無理なほど幼かったのでほとんど記憶にはないのですが、大きくなってから一度だけそのころを思い出して行ってみたことがあります。だから、多少は物語の風景にもなじみがあって、それだけに楽しめました。もちろん知らなくても楽しめるのでしょうが、知っているからこそ楽しめることもあるのだな、とか思ったりして。
物語にはいろんな登場人物が出てきますが、隙なのは凛としたおばあさん。格好いい。その次はパンク風の軍おたく青少年と、初な彼女の組み合わせ。この二人は本当にもう、ちょっとありえないくらいもじもじしてしまいます。恋愛ではなくてもかまわないけど、こんな感じで知り合えたらとても楽しいだろうな、と思います。このほかには付き合っていた男性に裏切られてしまった女性も良かった。しかし、電車内でのほんのわずかなきっかけを元に知り合うことってそんなにあるのかな、と思います。自分でも冷たいなと思わないではないのですが、多少のことがあっても知らない振りをしたり、思うことがあっても声をかけられなかったりしそう。つまり、そういった引っ込み思案なところが他人との垣根を作っているのかもしれません。もう恥ずかしいとか思う年でもないし、年の離れた友人とかも欲しいと思うので積極的になりたい。多分、実際に行動に移すことはすぐには出来ないし、いつまでも出来ないかもしれないけど、ひっそりとした決意表明なのでした。