ウェン スペンサー ようこそ女たちの王国へ

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF)

物語の舞台は極端に男子の出生率が低い世界で、兵士から王まで女性が活躍し、男性は貴重な存在とみなされるものの人としての扱いはいまひとつ。そんな世界で、誇りを持って生きている家族の一人であるジェリンはもうすぐ成人(16歳)になる見目麗しい男子。このジェリンたちのすむ家の近くで王女が負傷したことから物語は動き始める。
話にするとたいした内容はなくて、とか書くと怒られそうですが、細部を描こうとしているのはわかるもののいまひとつ入り込めない作品でした。これって女性がたくさんいて男性が少なくて、一人の男性に対して多数の女性が結婚するのが当たり前の世界ですが、逆の設定だったら現実にもある(一夫多妻は良く効くけど一妻多夫はあまり聞かない。でも聞いたことがないわけではないのでどこかではあるのでしょう。変換も普通にされたし)ので面白みが少ないかもしれません。どの立場で、どの視点で読むかで感想が変わってくる気もしますが、ウィスラー家のエルデストが格好良かったとだけ書いておきます。海外のライトノベルと言うわけではないのでしょうが、長い割りにあまり入り込めなかったのは、解説には脇役まで細部を描いてあるとあったもののやはり登場人物が多すぎて一冊で描くには無理があります。それならある程度の登場人物に的を絞っても良かったのかな、と思います。海外の小説だからと言うわけではなくて、ちょっと合わないタイプの作者かもしれません。ところでイラストを見ても誰が誰だかわからないのですが…。