野梨原花南 ヘブンリー

表記はヘヴンリィにして欲しいというか英語でHeavenlyでいいと思う今日この頃。Goo辞書によるとHeavenlyの意味は、

a. 天の; 天国のような, 神々しい; 天来[天賦]の; 〔話〕 すてきな.

だそうです。なかなか映画とかを見ていてもHeavenlyという単語を聞くことが無いのですが、気がついていないだけでしょうか。日常会話では使わない単語かも、と想像するのですが良くわかりません。
それはともかく、本編は相変わらずの野梨原節です。文章で誰かわかる作家さんは結構希少かも。わかる人にはわかるのでしょうが、こちらの認識力として、です。
登場するキャラクタは、全員とは言わないまでも"潔く、まっすぐ"な印象のキャラクタが多い。もっと少年少女はひねくれているのでは、と思うのは素直だった時代がほとんど無かった僻みかもしれません。素直でいることは難しいけれど、素直でいられることは気持ちがいいのではないでしょうか。裏を読んだりするのもそれはそれで楽しいのですが。素直でない言動を取ってしまうと素直なキャラクタに戻りづらいところがあります。幼いころ、すでに素直=馬鹿だと思うくらいにはひねくれていたので大人になった今では当然素直ではないのですが(考えるとブログ上では比較的素直かも)、そういったキャラクタを読むのはとても楽しい。そのころ、こんな風に振舞えていたらもっと楽しかったかもしれないと思えるようなキャラクタが常に登場します。想定しているであろう読者層からは完全に離れているのですが、それでも続けて読むのは、ふと仮想的な過去を想像して楽しむことができるからかもしれません。未練がましいとも言いますが。
全然内容に触れていないのですが、本編は魔法と科学が混在している世界。著者はいろんな物語でこの"魔法と科学が混在している世界"を書いているのですが、どれもバランスが良い。違和感はあるかもしれないけれど、ああ、そういう世界なのだな、と思えば通り過ぎることができるくらいの混在度。登場人物は、恋する少年が出てきたり、鈍感な美少女が登場したり、またもや王様が登場したり。学園ものは好きなので、今後も楽しみです。