西尾維新 刀語 10話 誠刀 銓

刀語 第十話 誠刀・銓 (講談社BOX)

刀語 第十話 誠刀・銓 (講談社BOX)

今回も少々盛り上がりにかける巻でした。終盤に向けて潜伏しているのかもしれません。完全に後だしじゃんけんですが、こういった刀は出てくるだろうなと思っていました。途中から刀ではないものも出てきて半分なんでもありになってきていたのでたぶんこんな刀が出てくるだろうと予想していました。若干予想とは違っていましたが、それはちょっと予想が斜め上を行き過ぎていたからです。
とがめが七花に嫉妬する場面が省略されていて残念です。次第に否定姫の存在感が大きくなってきていますが、四記崎との関係がほのめかされていました。また、七花との関係も少しほのめかしています。これまでの虚刀流の名前からみて、初代が「根」、父親が「枝」、そして七花が「花」姉が「実」なので、もしかしたら虚刀流はここで終わることを示唆しているのかなと思っていましたが、それを匂わす表現もありました。続きがあるとしたら八芽とかで、また振り出しに戻るのかな、とも想像していましたが。
だんだん西尾維新の人気に便乗したような売り方が始まっていますが、これもたぶん全巻まとめて売り出しておまけをつけたりするのでしょう。ハードカバでも売り出されるかもしれませんが、だとしたらそもそもは本棚に銀色の箱が並んでいる姿が美しいだろうということで始まったレーベルなのに、本末転倒かなと思います。あまりおまけには興味がないので持っている本をもう一度買うことはありませんが、つまらないことはして欲しくない。これまでにない売り方と自負しているのかもしれませんが、結局はある程度以上のファン以外は突き放しているような気がします。
残りもあと2冊となりました。あとがきには最後が見えていないようなことを書いてありましたが、おそらく著者の中で終わり方は決まっているはず。どのように締めるのか楽しみです。否定姫ととがめのスピンオフももしかしたら描かれるかも、と若干の期待をこめて書いておきます。