ヤマグチノボル ゼロの使い魔 12

よくもまあ、こんな話の流れを思いつくなと思えるほど馬鹿馬鹿しい展開もあります。真剣な場面も時々ある作品ですが、今回は全くの馬鹿モード。それも需要があるのでしょうし、面白い部分もあるので言いのですが。
自らの容姿に自信が無いルイズですが、恋敵は自分には無い体型をもっていたり、優しい性格だったりします。才人から褒められると当然嬉しくなるのでしょうが、今回、その後に起きた展開に失笑というか、思わず笑ってしまいました。どんなものであれ感情を動かすことができる作品ってあまり無いのでその部分は高く評価したい。
この作品の世界でもてるかどうかは結構単純な気がするのですが、それができないのは気位が高い人間が集まっているからなのか、それに気がついていないのか。当然、冷静に見れば話の流れに都合のいい展開になっているので登場人物だけがもてたりもてなくなったりするのは当たり前なのですが、他の読者でそのあたりが気になる人はいないのでしょうか。あまり他の感想(書評)サイトを見ないのでよくわかりません。
人気が出てきて、受けを狙いすぎてつまらなくなってしまう作品もある中、もともと狙い澄まして書いた作品なのか、そういった意味ではあまりぶれは無いように感じます。ちょっと忘れてしまったのですが、彼女たちは一応同世代なのでしょうか。確か、何歳かは違いがあっても大体は似たものだったと思うのですが。
一部成長物語的な展開もあり、そういった方面の話も出てくるのかなと思っていましたが先生が生きていたことから主要なキャラクタはおそらくこれから別れがあっても死別は無いのでしょう。それが悪いとは思わないし、キャラクタを殺してしまえとは決して思わないのですが、制限を設けてしまった、もしくはかけられてしまった以上、その枠の中でどこまで盛り上げてくれるのかが楽しみです。そもそも何十冊も続くようなシリーズではないと思うので、長くても後5冊ぐらいで完結して欲しいところです。