海原零 薔薇色にチェリースカ

薔薇色にチェリースカ (集英社スーパーダッシュ文庫)

薔薇色にチェリースカ (集英社スーパーダッシュ文庫)

引越しのごたごたで銀盤カレイドスコープがどこかに行ってしまって最後の何冊かを読んでいないのですが、その作者の新シリーズが始まりました。Gosickのように架空の国を構築して、その国独自のルールや風習があります。Gosickは少し前の時代を想定しており、こちらは現在を想定しています。前者はあまりその時代の空気を感じていないので多少突飛な設定でも、もしかしたらそうだったのかもしれないと受け入れやすいのですが、こちらは変に違和感があるとそこから読み進めていくことが難しくなるかもしれません。
今回も同じぐらいの冊数を考えているのか、いろいろと盛り上がる点はあるものの舞台設定を紹介する意味合いが強く感じられ、それでもわからないことが多くまだまだこれからなのだと予想されます。特にいい意味でも悪い意味でもないのですが、キャラクタ造詣が子供向けと言うか、わかりやすさを全面に押し出しているような気がしました。もちろん子供向けのレーベルなのでそれで構わないとのですが、もしかしてこれもアニメ化などを見据えているのかなあと変な思惑を感じてしまいます。逆に言えば、アニメのノベライズのような印象と言っても良い。
銀盤カレイドスコープでは幽霊との恋愛があって、それは変な形で成就される(生き返ったり、実は死んでいなかったり)こともなく、想いだけが昇華されていたので、あまり見ない形だなと感心していました。とは言っても最後のほうは未読なのでもしかしたらそんな展開もあったのかもしれませんが、既読の部分ではきっちりと終わっていました。今回は主人公が男性であり、相手は蛇に変身する少女(もしくは少女に変身する蛇)。これも、扱い方によっては面白くなると思うのですが果たしてどのような結末を迎えるでしょうか。