西尾維新 刀語 微刀・釵

刀語 第八話 微刀・釵 (カンザシ) (講談社BOX)

刀語 第八話 微刀・釵 (カンザシ) (講談社BOX)

鎧とか、もう刀ではないなと思っていたのですが今回はさらに突き抜けた形の刀が登場します。否定姫は若干メタ視点をもっているようで、おそらく多くの読者が想像している通りなのでしょうけど、それをどうつなげていくかが楽しみ。否定姫が肯定するときはああするのか、と言う点が今回は面白かった。
主人公の二人のべたべたぶりはもうなじんでいるかと思いますが、よくいろいろ考え付くなあと感心します。巻が進むことでベタな展開と言うか、お約束ができるようになっているのもだんだん面白くなってきている点かもしれません。
毎月毎月、本当に凄いなと思うのですが、若干不満点を挙げるならやはりその薄さでしょう。あまりにもあっさりと読み終わってしまうのでその点が少し不満です。値段を考えるとこれから読む人にとっては敷居が高い作品かもしれません。
広いようで狭い人間関係なのは表舞台から外れた人々がかかわりあっているからでしょうか。よく考えると一般人がほとんど登場しません。したとしても本当にその他大勢でしかなく、キャラクタ小説としては仕方が無いのかもしれませんが、ぼうっと読んでいるとこの世界ではほとんどの人間が変わったキャラクタなのかと思ってしまいそうです。残り4ヶ月。このまま終わってしまうことが楽しみでもあり残念でもあります。来年はまた別のシリーズがありそうな気もするのですが、どうでしょうか。おそらく刀語がまとまった形式で刊行されるでしょうし、西尾維新の活躍はまだまだ続きそうです。