細音啓 黄昏色の詠使い? アマデウスの詩、謳え敗者の王

この著者の描く世界は独特のものがあって、連続して刊行されていることもあるのでしょうが、とても印象深い。常識を破るほどの力を持った生徒、常識を破った母親の後を受け継いだ生徒が同じ世代に、同じ場所に集まったことに理由があるのかと本編で語られています。良く主人公の周辺などで実力者が集中していたり、規定外の人物がいたりするのですが「スタンド使いは互いを惹きあう」とか以外にあまりその理由を見た記憶がありません。書いてあるものもあったのかもしれませんが印象が薄いか、納得できなかったかどちらかでしょう。そのことがどう描かれるのか楽しみ。
主人公の少年がまだ幼いこともあってあまり恋愛方面の話題はありませんが、5年もすれば十分盛り上がりそうです。そこまで描くのかな、と少し思っていますが人気もあるようですし、面白いので作品自体は続くかと。
この作品はイラストと作風が見事に合致した作品だと思います。竹岡美穂さんの繊細な色遣いと、作品から想像する世界がとても合っています。あまり法則を探したりすることは得意ではないので、詩の言語体系を解読しようとは思いませんが、字面の美しさはフォントの違いからくるものだけではないと思います。すこしドラマCDとかにならないかな、と思える作品です。