清涼院流水 パーフェクトワールド 3巻 Three cheers

 これも刀語と同じで、月刊ペースで読むほうが楽しめるのではないかと思える作品。今月は、先月予想したように「キャナスピーク」の表記がさらに変化しました。だんだんと読み辛くなってきているような気もしますが、発音の練習には良いと思います。後はアクセントの位置でしょうか。たいして成果はないものの一応学校で英語を学んできたので大体のアクセントの位置はわかるのですが、本当にまっさらな状態でこの本を読んでもアクセントの位置がわかり難いと思います。
 物語は、ちょろちょろと登場してきた老婆が存在感を示してきたり、レイの秘密も明らかになったりで、少しずつですが確実に話が進んでいます。終盤はかなり驚きの展開でしたが、この先どうなるのでしょうか。そのほかのキャラクタとしては凛ちゃんがちょっと面白い。あと、刀語とのコラボレーションなのか、生八橋の少年が気になるところです。父親ははじめはかなり登場の機会があったのですが、次第に母親のほうが出番が増えています。この母もなかなか面白い人物で、本当に英語や他の言語を学び始めるのに遅すぎることはないと思うのですが、一緒に成長していけるキャラクタです。凛ちゃん以外の教え子たちもとても素直な性格で、エースが「変身」することに関しても素直に受け入れています。年をとってひねくれてしまったのか、もともと素直ではないのか、そんなに簡単に受け入れられないだろうな、と思ってしまいます。
 月刊ペースで読む方がいい、と言うのは一気に読むと内容が頭に入ってくるペースと吸収できるペースがつりあわないだろうな、と思うからです。まだ比較的簡単なところなので最後まで読むとどの程度英語に親しみがもてるようになるのか楽しみ。あとは、京都についてですが、こちらは観光案内を詳しくした内容に著者の感想を加えた程度かもしれません。あまり寺社に興味がなかったので京都には何度も行っているのですが地理関係などが頭に入っていませんでした。それでも、駅前の様子など(この巻ではありませんが)憶えている部分もあって、主人公がそこに現れているのが少し不思議な感覚です。これも、京都に行ったことのない人がどこまで吸収できるのか、そういった読者の感想もぜひ読んでみたい。完結してから積極的に探そうと思っています。