古野まほろ 天帝のはしたなき果実

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)

天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス)

 読み終わった…というのが最初の感想です。これをミステリと読むのか、青春小説として読むのかは個々の好みによって違うかもしれません。ミステリとして読むには枝葉が多すぎるというか、衒学にとらわれすぎると謎解きどころではなくなってしまいそうです。途中からミステリとして読むことをあきらめたので、あとは会話や設定を楽しむのみ、と思っていたのですがそこまで割り切ることもできず、結局普通に読み薦めました。ルビも読まないようにしようと思いつつ読んでいたのでかなり読了までに時間がかかりました。
 青春物語として読むとしたらもう少しゆっくりと読めばよかったとの思いもあります。ミステリだと細かいところを忘れないうちに先に進みたいと思ってしまうので少し読む速度が早くなってしまいます。もう一度読みたいと思うタイプの小説でもないのでゆっくり楽しめばよかったな、と思います。途中の感想にも書きましたが、マニアックな会話はとても面白く、高校生のときにこんな会話が楽しめる知識と、付き合ってくれる友人がいたらとても楽しかっただろうな、と思います。