うえお久光 悪魔のミカタ666 スコルピオン・オープニング

長らく刊行されなかった悪魔のミカタの続編です。細かい基本設定を忘れてしまったのですが、冒頭にこれまでのあらすじがあったのでぼんやりと思い出すことができます。今回は新しい舞台と言うか、場面の切り替わりなのでそれほど目覚しい展開はありません。前回の最後がこんな風だったかな、とどうしても思い出せない部分があるので読み返したいところですが、すでに知り合いにあげてしまいました。改めて購入するほどの思い入れも無いのでしばらくはこのまま読み進めますが、違うものとしてここから開始するのもありかも知れません。
コウってどんなキャラクタだったかな、と思うのですが、確かItでは少年から目標にされるような人物だったし、葉切洋平からは同世代なのに敬語を使われていることから、かなり優秀な少年であることがうかがえます。コウの本来の目的は亡くなった恋人を蘇らせることで、戦いはそのための手段に過ぎません。その恋人を知る人物が語るには、彼女は生き返ることを望みはしないだろうとのこと。他人から見た視点と、恋人から見た視点はもちろん異なるのでしょうが、「生き返ることを望まない」点はコウからみても同じだったのではないでしょうか。誰にも迷惑をかけないで生き返ることができれば、生き返ることを望んではいなかったとしても再び得た命を粗末にするとは思えない。でも、生きているだけで誰かに迷惑をかけるし、誰にも迷惑をかけないと言うことは存在していないともいえます。だから、前提条件がクリアされることはありえない。では、誰かに迷惑をかけて、もっとはっきりいえば誰かを犠牲にして生き返った彼女はどのような態度を取るのでしょうか。細部を忘れてしまっているのでこれ以上想像はできませんが、物語の落ち着く先は、コウと彼女が悪魔になってしまうとかだと思います。
想像を超えた展開が小説をよむ醍醐味のひとつであり、ライトノベルはその方面への期待度が高い作品だと思っています。だから、この予想が間違っていてもがっかりはしませんし、むしろ嬉しい。あまり迷走したり、引き伸ばしに入ったりしたら購入をやめてしまうかもしれませんが、しばらくはこのシリーズを購入し続けるつもりです。