西尾維新 刀語 第一話 絶刀・鉋

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

 毎月刊行されること、前作の化物語の値段よりも安いことからあまり厚い本ではないなと思っていたのですが予想通りの厚さでした。
 一冊目なので登場人物や舞台の紹介*1といった内容です。相変わらずのネーミングセンスで、思いも寄らない方向から名前がつけられています。時代劇ものなのでこれまでのような言葉遊びができない制約も若干ありますが、それでももともと正史に沿っているわけではないのでそのバランスも様子見といったところ。山田風太郎さんの作品を読んだことがないのですが、いろんな評判を聞いたり見たりしたことと、コミカライズされた作品から想像するに山田風太郎さんの作品に似たところもあるのではないかと思います。
 主人公は「刀を使わない」虚刀流の使い手なのですが、これまでの作品より少し具体的な体の動きを表現しなければいけないとあってこちらも試行錯誤の印象を受けます。著者としてはそんなことは無く、これまでにない作品だからそう感じるだけかもしれませんが。
 竹さんのイラストとは相性が良いと思っていましたが、戯言シリーズという作品と相性が良いのか、今回はなんとなく違和感があります。それも時間がたつにつれなじんでいくのでしょうか。この作品から西尾維新さんに触れる人もいるでしょうし、そういったひとと感じ方はたぶん違うと思います。
 思いがけず毎月の楽しみができ、とても嬉しいです。多作な方なので他にも作品が出るかもしれません。楽しみ。

*1:十二○○とか、これからの展開を期待させます。とはいえ西尾維新さんなのでいきなり全滅とかもありそうで、それはそれでどう展開していくか楽しみ。