有川浩 図書館内乱

図書館内乱

図書館内乱

図書館の戦闘部隊で働いていることを親に知られないため受付業務をする郁ですが、そういった場面を挿入することで実際の図書館業務を想像させるあたりがうまい。しかしこの様子を見ていると運動能力が優れていることが重要視されたのかな、と改めて思ってしまいます。もちろん、本に対する情熱もあるのですが。会話も相変わらず軽快で、後に引かない言い合いなどとても良いです。
今回は柴崎にかなりスポットライトが当てられているのですが、自分のことを美人だと認識している彼女はすごいです。美人で能力もあるとなるとなかなか相手が見つからないだろうな、と要らぬ心配をしてしまうのですがそのあたりまでも自覚しているあたり、かなり有能です。今回、派手な戦闘場面はありませんでしたがそれでも十分に読ませる作品でした。
シリーズ化が決定しているとのことで、おそらく起承転結の承にあたる巻だったのではないでしょうか。あまり長く続けるとも思えないので全4巻、もしくは5巻だと予想します。2月に続編が刊行されるようです。楽しみ。