上遠野浩平 しずるさんと無言の姫君たち

しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales (富士見ミステリー文庫)
 この著者の文章は基本的には好みなのですが、最近ロマンチストさがひっかかってしまってあまり素直に読むことができなくなってきています。多分著者自体はそれ程変わっていないのでしょう。読む側に変化があるのかもしれません。
 刊行される間隔がけっこうながいのでどんな設定だったのか忘れてしまいがちです。著者はしずるさんの病に現実のなにかを想定しているのでしょうか。童話をモチーフにした話の展開なのですが、動くことが制限されており、頭脳にまったく問題は無くて、たまに発作がおこる病気で、見た目には美しさを保っていられるという設定自体が童話めいているのかもしれません。もう少し様子を見て、今後も購入するかどうか考えたいと思います。