きづきあきら ヨイコノミライ

ヨイコノミライ完全版 1 (IKKI COMICS)ヨイコノミライ完全版 2 (IKKI COMICS)ヨイコノミライ完全版 3 (IKKI COMICS)ヨイコノミライ完全版 4 (IKKI COMICS)
 全然文化系の活動をしたことが無いので実際にどんな人が所属するのかはよくわかりませんが、あちこちの感想にあるように痛い青春を描いた作品でした。最期まであまり救いが無かったのは批評家気取りの彼と、電波系の彼女です。高校での活動を、自分たちの技術を高めたり、誰かに読まれることを前提とした作品を書く場を得るためだと割り切れば高校での文芸活動も楽しいのでしょうが、お金がかかわってくるとなると感想や批評もシビアなものになるでしょう。
 部内を混乱させようとしている少女が登場するのですが、なぜそのような行動をとるのかの理由付けがあまり上手くいっていなかったようにも思えます。彼女の兄弟もそこまで誰かを潰そうとする動機がよくわかりませんでした。ただ、幼い頃から何かを押し付けられることの閉塞感はわからないでもありません。どうして自分はこんなに不自由なのに他のみんなは好きなことができるのだろう。その理不尽さにしたがってしまうのも解ります。実際は誰もそれほど自由なわけではないのですが。
 友人が文芸部にいたこともあって作品集を読んだことはあるのですが、あまりの質の悪さになんと言って良いのか戸惑った記憶があります。彼(女)らがその後活躍しているという話は聞きませんが、もしかしたらどこかで漫画なり小説なりを描いているかもしれません。甘いかもしれませんが、そうだったらいいな、と思います。