ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険

 ゼロの使いまでは好みのキャラクタであるタバサを主人公とした短編集です。タバサの使いまであるシルフィードがこんなキャラクタだったとは思いもよりませんでした。ただ、シルフィードが好みかと言われるとちょっと…。どこからどのようにして現れたのかは解りませんが、かなりの長生種らしく、これまでにタバサ以外の人間とも交流があったのかもしれません。しれません、と書いたものの、これほどの懐きっぷりから考えるとこれまで孤独であまり話す相手もいなかったけど、タバサに召喚されたことで初めて言葉を使っての交流ができるようになったのではないかと思います。
 魔法使いの実力の程度がドット、ライン、トライアングルと来ているのにその次がテトラへドロンでないのはなぜなのだ、と思いますが、まあ、どうでもいいことですね。タバサをいじめる役目としてイザベラが登場しますが、今のところ完全な悪役扱いです。なんとなく彼女も大人たちの政治闘争に巻き込まれてああいった性格になってしまったのではないかと思うのですが、ただ単に悪役にも感情移入してしまう性格だからでしょう。
 しかし、この「地下水」の正体を読んで、ある作品を既読の読者は驚いたのではないでしょうか。逆に全く想像しなかったのでとても驚きました。まあ、そもそも話す剣もラグナロクと重なっている気がしますし、多少のアイデアが重なってしまうのは仕方が無いのかもしれません。これで初めてそういったキャラクタを知った人もきっと多いでしょうし。
 タバサについてたくさん書かれていたのは嬉しいことですが、携帯電話用の作品らしく、一つ一つの話が短いことが残念でした。もっと掘り下げて欲しい部分もあるので、もっと書いて欲しいです。おそらく次に外伝が出るとしたら別のキャラクタでしょうけど。