野梨原花南 公爵夫妻の物語

なんとシリーズ最終巻です。もう少し長く続くと思っていただけに驚きました。ポムグラニットとピーターの関係は、ほのぼのしているけど、お互いに思いあっていて良いなと思っていました。ようやくライバル出現かと思いきや早々とシリーズ終了でその当たりの盛り上がりには欠けたかもしれません。声は素敵な彼の出番がもう少しあればよかったのに、と思います。基本的に見た目のよろしい人ばかりなので、スノウ王女や彼にもう少し活躍して欲しかったです。以下多少内容に触れるので隠します。
どちらかと言うと主役よりも脇役に感情移入してしまうのですが、今回はカイに幸せになって欲しかったです。アザーが結晶だとわかった時点でもしかしたらカイにもチャンスが、と思ったのですがそんなこともなくあっさりとマダーとアザーは結ばれそうな雰囲気。誰かが誰かの幸せを願うと言うくだりは本当にじんと来ましたし、多くの人が幸せになるためには欠かせないのだろうと思いますが、だからこそ物語の中では「本心から誰かの幸せを願う者」に幸せになって欲しかったです。
ポムグラニットの服は文章で読めば予想通りだったのですが、鈴木次郎さんのイラストを見てちょっと意外でした。なるほど、幾何学模様の組み合わせとはああいうものもあるな、と。同じ文章から想像するものが違うって、楽しいですね。絵が描ければもっと楽しいだろうに、と思います。