支倉凍砂 狼と香辛料 2巻

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

 前作から比較的早く刊行されました。今回はロレンスが商人としてのピンチを迎えます。実際にどれほどの苦難が待ち受けているのかが、この世界と違うので若干想像しにくいですが、現実よりももっと過酷な運命が待ち受けているのでしょう。騙すのは構わないが破滅させるのは良くないという商人のルールはロレンスが頑なに守っているだけかもしれませんが)には好感が持てます。しらっとした顔で騙しあう場面は好きです。
 何百年も生き続けているというホロですが、高々数十年しか生きていない若者(小僧)に惹かれるのでしょうか。これも少し想像してみましたが、きっとあるのだと思います。ホロ自身の姿が若いということもあるでしょうが、精神的な成熟はある程度進んだところからは酷くゆっくりと進むのではないかと思います。それは、自身がある程度からあまり成長していないな、と感じるからなのですが、たとえばこの先何百年と生きたとして、外見や体力に代わりがなければあまり変化はないのではないかと感じます。だから、ホロがロレンスに対して親近感を超えた感情を持ったとしてもおかしくはないのかな、と。
 地味な話ですが、好みの作品です。これからもゆっくりを話を進めて欲しいと思います。ところでイラストどおりの位置に尻尾があるのなら普段手入れしているときはやはり結構見えてしまっているような気がするのですが…。