伊坂幸太郎 陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

 前回の続編ですが、正直続編があるとは思っていませんでした。今回も伊坂幸太郎らしいしゃれた会話が満載で、それはそれでいつもどおり楽しめるのですが、ストーリィとしては前回のほうが面白かったかも。そのことは著者の言葉としても書かれているので、映画にあわせて書かれた作品であり、楽しみ方が前作とは違う作品だと自覚して書かれたものだと思います。裏表紙には天才ギャング4人と書かれていますが、ひとり怪しい人がいます。彼は常に動じないように見え、それはそれで才能でしょうが、ギャングとして欠かせない人物かどうかはちょっと判断がつきません。今回は人間嘘発見器の成瀬とすりの名人である久遠が目立った働きをしています。久遠が結構キャラクタとしては好みなのですが、あの若さであの飄々とした雰囲気はなかなか醸し出せない野ではないでしょうか。このパタンで続編が書けるのなら、また別の作品もかけるのではないかと思います。なんちゃって辞書引用が今回もあって、それが話にかかわっているのが面白い。もし続巻も出るのなら買おうと思います。