三浦しをん まほろ駅前多田便利軒
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 単行本
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架空の東京にある町、まほろ市を舞台にした物語です。町の設定がいろいろと考えて作ってあるので実際にあるかのような感覚です。とはいえ、おそらくは実際にある郊外の町を参考に作ってあるのでしょう。千葉県がイメージに近いかもしれません(住んだことはありません)。
話すのが面倒だからといって話さない行天はやはりかなりの変わり者なのでしょう。だからといって回りに迷惑をかけるわけでもなく、淡々とすごしていました。大人になっても相変わらず淡々としている行天は、ある意味三浦しをんさんの理想なのかもしれない、と感じます。行天は淡々としていても注意力は優れており、人の心の機微もつかむことはできます。ただ、理解はできても感じることはできないのかもしれません。そんな行天を理解できるような気がするのはこちらの傲慢でしょうか。
登場するキャラクタはどこか現実味がないような部分も多分にありますが、実際はこういった人が都会には多いのでしょうか。娼婦、少年、薬の販売人などなど。だからといって作品がつまらなかったとか、嫌いだとか言うわけではなく、全体的に現実味から少し斜め上を描く三浦しをんさんの作品は、かなり好みです。今後の作品にも期待。