中里融司 黎明の戦乙女 1巻、2巻

 まとめて購入したので2冊読みましたが今ひとつ乗り切れない作品でした。今の心境がどうこうではなく、合わない作品だと思います。あらすじは省略しますが、簡単に言えば突然出てきた超常能力者によって世界は一度破滅に追い込まれ、荒れ果てた世界で擁立したリーダたちが戦国時代のような戦いを繰り広げる話です。
 細かいところを突っ込むのは好きではありませんが、なぜか文明が戦国時代に戻ったと何度も描写があり、それにもかかわらず近代兵器続出。2巻の最後では少しフォローのような文章がありましたが、うーん、と言った感じです。また、物資が無いのはわかるのですがなぜか日常の衣装までが戦国時代に戻ったり(その服はどうやって誂えているのだろう)、武器も弓矢や戦斧、薙刀などになっているのが不思議です。戦いの主役が少女ばかりと言うのもあまり受け入れにくい。全体としてコスプレ戦国ものをしたかっただけなのではないか、という印象でした。
 主役の少年にどうしても魅力を感じないのも合わないな、と感じた理由のひとつです。特別な能力を持つはずなのに消極的な理由で力を出し惜しみしているし、その割には戦隊ヒーローもののように最後にちょっとだけ力を発揮したり。文章は読みやすいのですが、キャラクタ全般に気に入るキャラクタもいませんでした。かなりの著作のある方なので、初めて読む作家でしたが期待に反した内容でした。