
- 作者: 日日日,x6suke
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/02/27
- メディア: 文庫
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大した感想は書いていませんが、これまでの感想はここです。450ページほどの分量で、これまでに無く分厚い巻でした。傍若無人に振舞っていた母、凶華が急に家族に対して思いやりを持つようになったのには理由があるのでしょうか。それとも、わかりにくかっただけでこれまでも家族のことはしっかりと思いやっていたのかもしれません。表紙にもイラストにもだんな様のイラストがなかったのですが、もう顔を殆ど忘れてしまいました。今回、かなりの分量だったのですが、いったい何をこれほど描写していたのか、と思うほど、あまり内容に違いは感じられません。まあ、分量が多くなっても気にしないで読めるほど日日日の文章に慣れたと言うことかもしれません。
日日日がこの作品で何を表現しようとしているのでしょうか。イラストの影響もあってか、つらい過去などを描写していてもあまり辛そうには感じられません。あまりにも現代からはかけ離れているからかもしれませんが、それでも、家族にそれぞれの過去があり、力をあわせて乗り越えていこうと言うのが主題であれば、それなりの表現の仕方があるように思えるのですが、まだ、日日日の思惑は伝わってきません。それはそれで、単なるエンタテインメント作品であるとするなら、最後に凶華がいろんなものをひっくり返してしまうのだろうな、と感じさせることは避けたほうがいいのではないかと思います。
話すライオンさんとくらげのお嬢様についてはいまだ詳細が明かされていませんが、これも今後示されるのでしょう。いまいち影の薄い銀夏の出番は今後あるのでしょうか。どうしても、普通の人間の印象が弱いのは仕方が無い部分かも。ただ、最終的にはおそらく、どのような形をしていても意思の疎通があれば家族となりうる、ということを示すのだと思います。別に長くなってもかまわないのですが、この話は10巻までに収めてもらいたい、と思います。そういえば、これまで日日日のシリーズ作品は終了していないのでは無いでしょうか。単発ではそれなりに締めることができる作家だと思いますので、長編をどのように締めるのか楽しみに追いたいと思います。