Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

 青春文学を集めた短編集です。各話について少しずつ感想を。

 思い返せばたいしたことが無いことでも、そのときの自分にとっては大切なことがあります。子供のころ大切だったことを忘れてしまい、大人として無神経に接する事は避けたい、と思います。

 ここでも自衛隊関連かぁ……。まあ、面白いから良しとしましょう。知り合いに自衛隊員は一人もいないので現実はどうなのかわかりませんが、自らの仕事に誇りを持っている、有川浩の作品に登場する自衛隊員は格好良いです。携帯電話が普及して、すれ違いや逢えない状況を作りにくい時代ですが、こう来たか、と思いました。短編でもいける人なのだな、と感心します。もう、かなりファンです。

  • 日向蓬 涙の匂い

 この人の文章、好きです。親の都合で転校することは、子供にとっては一大イベントなのかもしれません。そういえば、引っ越すときに母親ときょうだいはおお泣きしていましたが、まったく泣きませんでした。まあ、そういう人間だと言うことです。コークスのストーブは体験したことが無いのでどんな匂いかがわからないことが少し残念。今は都会の子が方言を話したがるそうですが、単語だけでは方言とは言えないのだろうな、と思います。

 あまり合いません。でも、ニートと呼ばれる人の一部はこのような人なのかな、と感じます。

 長子に生まれるといろいろとしがらみがあるのかもしれません。特に、年の離れたきょうだいがいる場合、その子達の世話をして、褒められる自分に満足してしまう。そして、いつか本当に求めているものがわからなくなってしまう。自分の枠組みでしか物事を考えられないと、大切なことを見逃してしまうかもしれない、と思いました。あと、坂木司の引きこもり探偵シリーズ以外の作品は初めてでしたが、面白かったです。

 こういう形でしか動けないことはとても悲しい、様な気がします。この先の苦難を考えると、青春だからなあ、で、片付けるのもすこし違うような。彼女は上質の灰になれたのでしょうか。寒さは人の寂しさを増幅します。だからと言うわけではないのでしょうが、寒い土地の話は、少し物悲しい。ところで、この後一番恐れるのは、最初の彼だと思うのですが、どうでしょうか。

 偕老同穴が何かわからなかったので調べてしまいました。なんとなく敗北感。物語は今ひとつ。最後にこれをもってきた編集者の意図が良くわかりません。