ヤマグチノボル ゼロの使い魔 7巻

ゼロの使い魔(7) (MF文庫J)

ゼロの使い魔(7) (MF文庫J)

 戦争で知人を失ったことに衝撃を受けている才人はルイズとの間に違和感を覚えていた。それは、名誉のために命を厭わない姿勢と、自分以外の者を道具としてしか感じられなくなってしまう部分。否応無く戦いは続き、命は失われていく。一方、個人的な感情を置き去りにもできない才人とルイズは素直になれないためすれ違いが続く。そこに現れた美形の神官。才人へのあてつけにその神官と仲のいい姿を見せ付けるルイズ。神官の正体は、そして、戦いの行方は……。
 
一巻の感想はここ2、3巻の感想はここ4巻の感想はここで、5、6巻の感想はここです。
 今回はタバサやキュルケの出番が無くて残念。名誉を重んじるルイズたち貴族ですが、どうも名誉を「戦果を挙げること」とみなしている感が強い。戦時中なので仕方が無いのかもしれませんが、なんとなく偏った価値観を感じます。才人は平和な国からやってきたこともあって、命を最重要視します。どちらかというとこちらに親近感を感じます。命あってこそ、できることがあると思います。
 ルイズと才人のすれ違いは、どちらも素直ではないからですが、ルイズにあの格好をさせるような展開に持っていったのは単純にすごい、と思いました。それほど不自然な流れではなかったし、きっとファンは大喜びでしょう。それはともかく、ラグナロクのようにもともと人工物として作られたのではなく、デルフリンガーはもともと人間で、何らかの理由で件に封印されているのかな、と考えていましたが、今回その印象がさらに強くなりました。もしかしたら体がどこかに保存されていて、人としてよみがえるかも、と思います。でないと、人の気持ちがわかりすぎるようなので。終盤は盛り上がりが合ってよかったです。これまで好戦的な人種として描かれてきた種族が登場しますが、今後どのようになるでしょうか。