ヤマグチノボル ゼロの使い魔 4巻

 虚無の使い手であることを周囲に知られないよう便宜を図ってくれたアンリエッタ女王。しかし、ルイズは唯一憶えたエクスプロージョンを使いこなせない。そんな中、虚無の魔法に操られたウェールズがアンリエッタを連れ出そうと画策する…。
 今回は、モンモランシーが調合した惚れ薬のためルイズが才人に首ったけ(死語?)になってしまいます。そのときのでれでれぶりと、薬から醒めた時のツンツンぶりが一部の人にはたまらないのでしょうか。
 少しずつですが話が進行しています。登場人物がほとんど主要な人物なのはご愛嬌。タバサは偽名であったことが明らかになりました。本名はシャルロットですが、この世界のイメージとしては中世フランスだと思っていいものか考え中です。…少し考えて、わかりました。才人はこの国の文字を読めません。何らかの力が働いて言葉はわかるようになっています。つまり、才人がルイズと考えているだけで実際は異なった発音かもしれない、と考えました。髪の視点である地の文は才人の認識にあわせて書いているだけでしょう。だから才人がこの国を見てフランスをイメージしているのでは無いでしょうか。そう考えるとなんとなく辻褄は合うような気がします。
 シャルロットの名前はとりあえずタバサで通します。ようやくタバサに焦点があたるかと思ったのですが、比較的あっさりと流されてしまいました。タバサの環境も、よくある展開といえば良くある展開です。彼女が表情を取り戻すためにはかなり高い敷居があると思うのですが、これをどうやって丸くまとめるのか少し期待しています。
 今回はどたばたコメディ色が強く、あまり特筆することは無いのですが、男子高校生にあの状況だと、かなりの確立でアレなことになってしまいそうです。まあ、簡単に手を出されると違うレーベルになってしまいそうですし、ほら、正義の味方ですから。という訳でこの展開は妥当かもしれません。
 話の長さに規定があるでしょうし、詰め込んで書くとなると仕方が無いかもしれませんが、都合のいいところで都合のいいことを思い出すのは、やめて欲しいです。紙面に都合があるのなら削るところがあったのでは無いでしょうか。