雪乃紗衣 彩雲国物語―花は紫宮に咲く
- 作者: 雪乃紗衣,由羅カイリ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 文庫
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彩雲国物語第三弾です。どうやらコミカライズされるようですね。冒頭にキャラクタ紹介があるのですが、劉輝と静蘭と絳攸の区別がつきません。これでコミカライズしても大丈夫なのか、と心配です。前作の感想に書きましたが、今作でトイレが出てきました。でも、掃除をしているだけで男女別になっているとか、一応水洗式になっているとかは全くわかりません。小出しにするのでしょうか。
今回、少年少女には嫌われそうな性格をした彼が、実はいい人だという話があるのですが、彼におおみえを切った青年はことが明らかになった後でどういう態度をとるのか非常に興味深いところです。自分では才能があると断言してますし、実際4位で合格しているのだから能力はあると思うのですが、直情径行な部分は官吏としては少しいただけない部分かもしれません。尊敬する絳攸のようにもう少し腹黒くなってもらわなければ。といいつつも若いころから老成されても少々物足りないので彼にはこのままの性格でいてほしいです。
もう一人、国試で一位合格した少年ですが、彼のキャラクタについての背景も今後描かれるのでしょう。あまりありきたりな展開にはなってほしくないところです。実は双子で生まれるはずだった、ぐらいが限界でしょうか。
しかしですね、王様がいくら顔を知られていないからといって簡単に外出したり、危険な仕事(仕事でもないか)に携わるのを暗黙のうちに見逃すのは優秀な官吏としてはいかがなものか。もちろん彼は主役なのだからじっとしたままだと話が動きにくいし、何とか登場する機会を与えなければいけないと思います。王が実は優秀であるという紹介は済ませてあるのだから絳攸の裏を書いて抜け出すとか、静蘭を身代わりにするとか(弟には甘そうだ)して欲しい。少なくとも絳攸は王の身に危険を与えてはいけない立場だと思います。ここまで3冊を読んで、その感想を書きました。その感想を読んで思ったのですが、どうやら絳攸に期待しているらしいと言うことに気がつきました。ほうほう。なるほど。自分の文章を読んでわかることもあるのだな、と変なところに感心しました。
役者がそろったかな、と思わせておいて舞台が変わることには少し驚きました。確かに、王の庇護の下で何かをなしたとしても成長の度合いが少ないかもしれません。
架空の世界を構築するなら、風の大陸みたいにある程度どのような生活をしているのかを描いて欲しいところです。地図を描けとは思いませんが、どこに川が流れていて、そこの生活はこんな感じで、大陸はこうで島国もあって・・・とか。すべてを書けとは思わないし、書ききれないのは当然ですが、作者なりのイメージを持っていたほうがいろいろと書きやすいのではないかな、と思います。相変わらず料理はおにぎりしか出てきませんが(ゆでたまごもありましたが)、今後きちんとした料理は出てくるのでしょうか?