　三崎亜記　バスジャック - やっぱり本が好き

　となり町戦争で評判が良かった三崎亜紀さんの短編集です。それぞれの作品の感想を少しずつ。

　こことは少し違う世界の少し不思議な物語です。自分では当たり前だと思っていることでも違う土地だと不自然だったりその逆だったりすることがあります。主人公の男性が異世界に言ってしまったような印象でした。

　丘の上から自分の家を探す僕。少しだけ時間がずれた世界を見ることは幸せなのか不幸せなのか。孤独に死んでいる自分を見るのは少し嫌だな、と思いました。

　長く付き合っていれば多少の記憶のずれは当たり前のことです。それを受け入れられるかどうかは相手をどれだけ思っているかということ。という設定のお話。

「薫さん、僕と結婚してください」

そういいきった彼の愛情は本物かもしれませんね。しかしこれほどのずれがあったら病気ではないかと考えるのが普通です。病気への不安を相手への愛情にすり替えているような気もしました。

　バスジャックが流行になり、何もわかっていない若者が多数バスジャックをするようになった。バスジャックとは礼儀と作法が伴う････ああもういいです。しかし、もし本当にバスジャックが流行したらその波に乗るばか者が出てくるのだろうな、と思いました。これはつまらない話でした。

　本への愛情が感じられる作品でした。たくさんある本を誰かと共有したいな、と思うときがあります。誰も近くの人間は本を読まないし、感想なんて聞けるはずもありません。ここで紹介している本の感想を聞けたらとても嬉しいです(が、今まで殆ど全くといっていいほどありません。少し寂しいかも)。

　自分のイメージを観客に見せることが出来る女性が主役です。

　読み終えるまもなく片付けてしまいました。未読。