小倉千加子 シュレーディンガーの猫-パラドックスを生きる-





 ジェンダーセクシュアリティを専門にする著者のエッセイと言っていいんでしょうか。鋭い視点からの意見がどんどん出てきます。どのような議論でも立場が違うと意見も異なるのは仕方がないことで、ジェンダーに関する章ではある部分の偏りが感じれられましたが、全体的に面白く読めました。
 大学の講師をされているから当然と言えば当然ですが大学生に関する意見は鋭く、正鵠を得ているように思えました。一昔前の高校が今でいう大学に相当する、と言うのはまさにその通りかもしれません。ただ、全体論にありがちなのですが、誰しもがそう望んでいるわけではないと言うことも忘れてはいけないと思います。