日日日 狂乱家族日記 参さつめ

狂乱家族日記 参さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 参さつめ (ファミ通文庫)





 凰火の元恋人である死神三番大日本帝国に帰国した。国家の命ではあるものの、凶華と結婚したことを彼女に告げる凰火。それをすんなりと受け入れられない死神三番は凶華と対立する。無関係であると思われた両者は意外なところで繋がりがあった・・・。
 刊行ペースは本当に感心できる日日日狂乱家族日記第三巻。新しい登場人物である死神三番西尾維新の影響を感じますが果たしてどうなのでしょうか。西尾維新荒木飛呂彦の影響を受けて自分なりのスタイルを確立したように、日日日も自分のスタイルを確立できるといいですね。世代も近いのでいろいろと比較されることもあるかと思います。同じ舞台に立てば西尾維新のほうが優れていると思うのですが、日日日には彼なりの方向性をつかんでもらいたいと思います。
 あとがきでは、今回は起承転結の”転”だとありましたが、今後は登場人物の一人一人を掘り下げていくのでしょうか。凶華の過去が少しだけ描かれた本作でしたが、反面、他の家族は殆ど出てきませんでした。個人的にはもう少しおばかコメディを続けてほしかったのですが、そのままでは終わりが見えなくなってしまうことが危惧されますので、このまま終盤に向けて進むほうがいいのかもしれません。
 それにしても、今回一番面白かったのはあとがきだと言ったら著者は傷ついてしまうのでしょうか・・・。あと、帯にあった驀の字がすぐに読める人は日日日の読者のうちどれくらいいたのか少し気になります。