[読了] Teen Age
角田光代さんや瀬尾まいこさんなど、7人の作家が描く10代の少年少女たち。帯によれば、”リアルで切実な「十代」の断片”。
それぞれが短い話なので各作品に関する詳しいコメントは避けて、短い感想にとどめておきます。
- 「神様のタクシー」
真面目すぎる十代を過ごした人も、適当にすごしてしまった人も、皆それぞれの人生。誰にも忘れられない記憶がひとつは有るかと思います。
- 「狐フェスティバル」
子供たちが素直で愛らしい。瀬尾さんの周りに居る子供たちはこんな感じなのでしょうね。
- 「春休みの乱」
今はもう無きカルフールがおしゃれな大型スーパとして描かれているのが少し悲しい。友達のことになると妙に張り切ってしまう子、いますね。
- 「いもりの尻尾」
矢守くん、頑張れ。君の気持ちには、多分、先輩は気がついていますよ。
- 「ハバナとピアノ、光の尾」
野中ともそさんが描く海外の空気は行ったことが無い国でもまるで自分がそこに居るかのよう。退廃的な空気もまた良しです。
- 「Inside」
人の親切を当たり前と思ってはいけませんね。感謝の気持ちを抱き続けるのは難しいかもしれませんが、忘れてしまった時このような事態になります。大鳥君、いい人だ。説明だけではなくて、彼の描写も欲しかったかも。
- 「一美ちゃんのこと」
ふ、ファンタジィ?遺伝は多大な影響を及ぼすけれど、人間は環境やそこから発生した意思が決める物だと思いたい。
もともと好きな作家の作品はやはり読みやすく、面白いです。初めて読む作家さんも居ました。好みの文章の作家を探すのに適しているかもしれません。若者を描いた作品は基本的に好きなので、どの作品も楽しく読めました。