[読了] 椹野 道流 にゃんこ亭のレシピ

にゃんこ亭のレシピ (講談社X文庫)

にゃんこ亭のレシピ (講談社X文庫)





 講談社ノベルスで法医学シリーズを執筆中の 椹野道流さんが描く、田舎での暮らし。銀杏村では不思議な出来事が当たり前のように起き、村人はそれを自然に受け入れている。銀杏村に住む祖母の死を知らされたゴータは法要のため村を訪れる。村で、ゴータは祖母の霊に出会い、祖母が丹精込めて作った白菜を食べ、村へ移住することを決意する。ゴータは東京で調理師の修行をしており、特技を生かして村でレストランを開くことにする。そこでは様々な出会いがあった・・・。
 本屋さんめぐりをしていたら偶然発見しました。ページの上下に結構空白があったのであっさり読み終わってしまいました。奇譚シリーズは読んでいないのですが、ずいぶんと続いている様子で、このシリーズももしかしたら長くなるかも、と言った予兆が感じられます。一巻なので、基本的には登場人物の紹介でしょうか。表紙に描かれた女の子も終盤まで登場せず、やきもきしてしまいました。ゴータが口数の少ない実直なキャラクタのため、それを補うキャラのサトルが登場します。彼は母親役でしょうか。守備範囲の広い恋愛観を持つ男性で、非常に美形です(やおいではないことを祈ります)。自然の良さを伝えようという意思が感じられますが、堅苦しいことを考えることなく、気軽に読めば良いと思います。法医学シリーズの作者なので、今後はもう少し踏み込んだ話しもあるのではないかと期待しています。 レーベルがWhite Heartなのでもしかしたらライトな読み物になるかもしれませんが、なんといっても十二国記シリーズも抱えるレーベルなので、期待してもいいのでは。もう2巻も出ているようです。White Heartはあまりおいていない(充実していない)本屋さんが多いですね。ネットで購入しても良いのですが、本屋さんを巡るのも楽しみの一つなので、しばらくは次の出会いを待ってみます。