[読了]萩原麻里 そらのこども

そらのこども

そらのこども





 雲を操り、人々の生活を手助けする雲練り。雲練りの伝説的人物と出会い、専門学校へ入学したジル。ほとんど誰もあったことがないという伝説の人物を手伝っていたのだけれど、ジルはほとんど雲練りのことを知らず、入学時は周囲の羨望、期待の視線を浴び、困惑してしまう。ジルは彼が望むような雲練りになれるのか?個性的な仲間に囲まれ、ジルの挑戦は始まる・・・。
 ひよこ舎という聞きなれない出版者から販売されています。ほんの少しだけあとがきから引用します(問題があれば削除します)。
"願うだけでは夢はかなわないという現実。だからこそ努力し、頑張ったのだとしても、その先にあるのはやはり絶対的な成功ではないのだ、という事実。"
 現実は物語ほどうまくはいかない。それを物語りに組み込むべきか、夢を見させておくだけなのか。若年向けの物語でどこまでそれを描くことができ、どれだけ子供たちが受け止められるかはわかりません。しかし、著者はそれを描ききり、一人の大人として出した答えを示しています。かつての子供であった大人はどう受け止めるでしょうか?可愛らしいイラストで、ファンタジックな内容ですが、さまざまな受け止め方がある作品だと思えました。